コワーキングスペース

近所にコワーキングスペースが出来ていた。

 

割とリーズナブルな価格ながらもフリードリンクが付き、Wi-Fi完備、

各席コンセント・USB充電可能。

テーブルの広さも丁度良い、チェアとソファも長時間作業しても痛みを感じにくく快適だ(個人的にはここが一番大きい)。

他の利用者を配慮しつつ、会議通話もOKだ。

 

今年5月上旬以降コロナ君がやっと5類になる事を機に

「何か外で出来る事はないか」と探そうとする中で、タイミングよくこの空間を知る。

ここ1年半程はDiscordの作業通話をサードプレイスにしていたが、

また別の手段のサードプレイスとして暫くはこの空間を利用することになるだろう。

 

普段は万遍なく色んな場所を通るが、

コワーキングスペースが出来た周辺は、歩かないことが殆どだった。

それには理由があった。

祖父が亡くなった病院がコワーキングスペースの側にあったからだ。

 

通るだけで胸が痛くなるし、亡くなった日の事を鮮明に思い出してしまう。

私の手を力強く握り締めては、

その手と同じくらいの力で、強く、目をじっと見つめていた。

成人式の数日前、夜の出来事だった。

 

忘れられない言葉のないメッセージを告げられながらも、

随分と身勝手な生活を送っている今の自分を惨めに思いたくなくて、

あの日をできるだけ思い出さないよう、私はできるだけその病院を通過しないようにしていた。

 

此処に来たことにはきっと意味がある。

窓の外を見るだけで思い出してしまうが、此処で何か集中することは、私にとってあの日と向き合い、今の自分を受け入れて少しずつ前に進めているような、そんな気がする。

私にとっては、そんな場所だ。