久々に大好きな、夜の喫茶店へ。
私にとってこの喫茶店はとても特別で、
「何かを取り戻したい」時に、行きたくなる。
此処に来ると、なんだか大切なことを思い出させてくれるような、そんな場所。
私以外の客も、それぞれの時間を静かに楽しんでいる姿が見える。
ゆっくり、ゆったりと時間が流れていく空間。
聴こえてくるのは、外にいる虫の声と、調理する音。
行く度に、段々と本の数が増えてきている。
既にとうにある本たち。知らないモノはたくさんある。
此処の喫茶店に来ると、色んなドリンクメニューがあるけれど、
そのお店のオリジナルブレンドが飲みたくなって、結局、いつも通りのものを嗜む。
オリジナルブレンドって、特別だよな。
香りごとそのお店の思い出になったり、
マスターが大事にしているものが込められているような気がする。
マスターがひっそりと何かを準備したかと思いきや、
21時を過ぎてから、ギターを持って、
「拍手は要らないので、皆さんそれぞれの時間を楽しんでください。」
そう言いながら、彼は演奏を始めた。
また一日が過ぎていく。
頭の中に佇んでいた言葉にならない孤独な感情が、そっと外に押し流れていく。
どうやら考えていたことは、一人じゃなかったらしい。
そろそろ家に帰ろうと、会計を済ませた。
外に出てふと空を見上げたら、
長い流れ星を見た。
今日は本当にいい日かもしれない。
願い事が叶いますように。